インプラント周囲炎

インプラントを入れた後、こんな症状でお困りではありませんか?

インプラントを入れたところがなんだかおかしい インプラント周囲炎 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック
インプラントを入れてもらった先生に相談したが大したことが無いといわれた インプラント周囲炎 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック

実はそれは「インプラント周囲炎」かもしれません。放っておくとインプラント周囲の歯肉や骨と全身の健康に大きな影響を与える可能性がありますので、早めの対策が必要です。

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎(インプラントしゅういえん)とは、インプラントを支える歯ぐきや骨が炎症を起こす病気です。これはインプラントを入れた直後からと数年後に発生することがあります。インプラントは天然の歯を失った場所に人工の歯根を埋め込む治療法ですが、時間が経つとインプラントの周りに細菌が溜まり炎症を引き起こすことがあります。今や世界のインプラントを入れた患者さんの20%以上に見られるとの報告もあります。

インプラントを入れた後に歯ぐきの腫れや痛みがある時、その原因がわからないことが多く、多くの人はこの病気について知りません。

インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎の主な症状には段階を追って次のようなものがあります。

  • 歯ぐきの腫れ
    インプラントの周りの歯ぐきが赤く腫れることがあります。この腫れは炎症によって引き起こされます。
  • 痛み
    インプラントの周りに痛みや違和感を感じることがあります。痛みは軽度から重度まで様々です。
  • 出血
    歯ぐきを軽く触ったり、ブラッシングしたりするだけで出血することがあります。これは、炎症によって歯ぐきが弱くなっているためです。
  • 膿の排出
    インプラントの周りに米のとぎ汁のような白っぽい膿が溜まることがあります。これは感染のサインです。膿が出ると、口の中に不快な味や臭いが感じられることがあります。
  • インプラントのぐらつき
    インプラントがしっかり固定されずにぐらついてきます。これは、周囲の骨がいくつかの段階を経て失われているためです。

<インプラント周囲炎の患者様の写真>

インプラント周囲炎の症状 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック

① 歯ぐきが腫れている
歯ぐきがただれてグチャグチャになっています。カリフラワーのような小さなボコボコがたくさん出ています。

② すき間が見えてしまっている
骨が解けてしまい、歯ぐきが下に下がりすき間が出来てしまっています。

インプラント周囲炎のリスク

インプラント周囲炎を放置すると、次のようなリスクがあります

  • 骨の喪失
    炎症が進行すると、インプラントを支える骨が徐々に溶けて失われます。
  • インプラントの脱落
    骨が失われると、インプラントがしっかりと固定されなくなり、最終的にはインプラントごと上部のかぶせ物が脱落する可能性があります。
インプラントは、一度入れたら何年後かには新しいものに交換すると思われている方が多いですが、インプラントを入れる時にきちんとした治療、その後のメンテナンスができていれば、本来であれば一度入れたら交換しないものです。 もし、上に示したインプラント周囲炎の症状がある場合は、早めに当クリニックにご相談ください。適切な治療を受けることで、炎症の進行を止め、インプラントを長持ちさせることができます。

当院によるインプラント周囲炎のリカバリー治療

横浜山手デンタルクリニックでは、現在入っているインプラントを取り除いて新しくするのではなく、今あるインプラントを再生する治療を行っています。

インプラント周りの骨の再生治療

他院でインプラントを入れた後、インプラント周囲炎による病原菌によって骨が壊されてしまった患者さんです。当院にてインプラントの周りの組織の改善のためデコンタミ(再生)治療を行いました。

デコンタミ(再生)治療によるインプラント歯周組織(A→A'とB→B')へ改善。術後3か月には骨様組織と思われる再生が見られます。

病原菌によって、骨が壊されてしまっている

インプラント周囲炎 デコンタミ(再生)治療の術前 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック

術前 2023/3/2

骨を再生する治療をして増骨する

インプラント周囲炎 デコンタミ(再生)治療の術後 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック

術後 2024/1/26(手術日 2023/10/20)

インプラント周りの骨の再生治療

他院にてインプラント手術を受けた患者さんです。手術後少し経ってから長期間にわたって痛みが続き、2024年夏になっても痛みが治まらないため、その間に7軒の歯科医院を受診されました。
某医科大学付属病院口腔外科と某歯科大学インプラント科において、で2次元のデンタルX線写真(下図)を撮影し、診察をしてもらいましたが、”異常なし”という結果でした。しかし、痛み(赤い矢印の部分)は全く解消されず、その後当院を受診しました。

インプラント周囲炎の患者さんの2次元デンタルパノラマ写真 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック
来院時に撮影した2次元口腔内パノラマ写真

確かに2次元のデンタルX線写真では、痛みの原因を見つけることができなかったため、当院では3次元のCT画像を撮影しました。

撮影した3次元CT写真 骨の欠損が確認できる 2次元口腔内パノラマ写真 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック

3次元のCT画像にて確認をすると、なんと黄色の丸で囲んだ部分に大きな骨欠損が垂直的に見つかりました。それだけではなく骨の欠損は1本前のインプラント体にも向かって存在しました。(写真上で囲んだ部位の黄色の点をご覧ください。)

術 前

インプラント周囲炎術前 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック
赤い矢印の部分の痛みを訴えられたが術前の2次元X線デンタル写真では「大きな問題となる所見はなかった」と別の7軒の歯科医師に言われた。

術 後

インプラント周囲炎術後写真 インプラント除去 横浜市中区山手町の歯医者・歯科 横浜山手デンタルクリニック
CT撮影後インプラントの埋入手術の部位(ポジショニング)の問題などによるインプラント周囲炎が垂直方向と水平方向に進行している。

痛みが激しかったため、患者さんの強い希望があり、当院が推奨するインプラント除去前のプログラムであるインプラント周囲炎のデコンタミ治療は受けずに、埋入していた2本のインプラントを除去しました。その後経過は良好で、何年にも続いてきた痛みは解消されてとても喜んでおられます。そして、インプラント除去後の空隙に新しい骨が再生されつつあります。

インプラント周囲炎の予防

インプラント周囲炎を予防するためには、日々のセルフケアとプロケアを中心とする口腔ケアが非常に重要です。次のポイントに注意してください

  • 毎日のブラッシングとデンタルフロス
    インプラント周りを含むすべての歯を丁寧にブラッシングし、フロスを使って歯間やインプラントの周囲の清潔を保ちましょう。
    インプラント専門医によって工夫されたブラッシングやフロッシングを身に付けてください。
  • 定期的な歯科検診
    少なくとも半年に一度はインプラント専門医の検診を受け、インプラントの状態をチェックしてもらいましょう。
  • プロフェッショナルクリーニングを超えたデブライドメント
    歯科医院での定期的なクリーニングと、必要であれば病原菌の除菌や無菌化のプログラムを受けて、歯周ポケットに溜まったバイオフィルムを除去できます。
  • プロチェックによる適正なかみ合わせを常に確保する
    通常の食事の際の咬み合わせの力は30kg~50kgといわれていますが、就寝時の咬み合わせの食いしばりや歯ぎしりは300kg以上あり、インプラントの歯とお相手の歯は、互いに深いダメージを受けます。それらの力のコントロールがインプラント周囲炎の予防につながります。
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