横浜の歯科・歯医者 横浜山手デンタルクリニック手術用顕微鏡を使った治療が必要です!
深いポケット内の見えない歯根面の汚れ(細菌・毒)は歯科医の肉眼だけでは取れません。だから手術用顕微鏡が必要となります。
プローブという器具を使って、歯肉の中の見えないところを探り歯周ポケットの深さを手術用顕微鏡で調べます。歯周ポケットが浅いか深いかで、どの程度病気が進行しているかを探ることができます。また、歯根面の汚れの状態、歯槽骨の溶けている状態なども知ることができ、とても重要な検査です。
歯槽骨は一様に溶けて無くなっていくわけではありません。どのように無くなっているのかを詳しく知ろうと思えば、大変な時間がかかります。ぐるり1周根の周り骨の等高線を探り記録します。
【歯と歯肉の間からプローブ(検針)を入れて探る】
【2mmは正常 4mmは中等度に悪い 6mmは重症】
厚生労働省の平成17年歯科疾患実態調査では、歯周病の有病率の高さは45歳~54歳では約88%、30歳~69歳では80%以上を示します。この有病率から歯周病はまさに国民病といっても過言ではありません。
今までの歯周病の治療法が正しいのなら、ギネスブックに世界的病気として認定されることはないはずでしょう。世界中の歯科医師、歯科衛生士が年々増加し多数従事しているのに、歯周病治療の成果が上がらないのはなぜなのでしょう?
歯ブラシや従来型の歯石除去などのクリーニングによって歯周病が100%予防できるのなら、ギネスに歯周病が世界的病気、国民病と認定されることもないはずという事実を受け止めなければならないでしょう。
もちろん、歯ブラシは非常に重要である事は間違いないのですが、歯と歯肉の隙間のいわゆるポケットに細菌の侵入を防ぐことが治療上で構築可能となれば、歯ブラシが多少悪くても歯周病になるリスクは減ります。その新しい改善法を当院では患者さんに提供しております。
状態を確認した後に、歯根面の汚れをきれいに取り除きます。歯ブラシなどで見える歯肉の浅い部分のプラーク(細菌と滞った汚れ)をコントロール(除去)するだけで治る歯肉炎とは違って、「見えない部分」は手術用顕微鏡と特殊器具を使って、見えるようにして取り残しが無いように細菌や細菌毒を取り除きます。
根拠となる論文
今までの方法では、感染を完全に排除する事が難しい事を以下の論文が示しています。
根拠となる論文1
1981 Stsmbaugh RU, 他
The limitsy Subgingival Scaling
概要
ポケットの深さの平均3.7mm以上になると歯石など起炎物質の取り残しが多くなる
解説
見えないところを見ないで、手指の感覚で行うスケーリング(歯石取り)やクリーニングは歯周病の治療予防法には適さない。だから顕微鏡による特殊な治療法が必要になる。
根拠となる論文2
1987 Bachanam 他
Claculus nemoval by Scaling / root planing with and without swgical access,
外科手術をしてメスで開いた後、明示したにも関わらず起炎物質である歯石や汚れの14%~18%の取り残しを認めた。
これらの論文は、起炎物質や汚れは、歯周ポケット4mm以上になったら完全に排除できない。従って、歯周病を治すことの限界を示しています。
この問題点を解決した背景にあるのが、The Micro Endoscapic technigue Akiyama Methodによる手術用顕微鏡の応用で、マイクロミラー付き剥離子などの器具のイノベーションがあります。
ポイント
とにかく見えない部分を顕微鏡で拡大して、確実に見る事が問題解決に必須となります。
根分岐部病変の症例
奥歯の複数の根と根の間の歯周病の治療は難症例です
「根分岐部病変(こんぶんきぶ・びょうへん)」と呼んで、奥歯の歯の根っこと根っこの間(あいだ)の部分に起こるトラブルのことです。歯には歯茎の下に「根っこ」があり、奥歯だと複数の根っこに分かれています。その根っこが分かれている部分を「根分岐部」と呼びます。
歯周病菌によるダメージを受け、このような分岐部は難治性となります。多くの患者さんは抜歯の提案を受けるようです。そこで当院では、分岐部(黄色い枠)の徹底的な無菌化・無毒化を目的とした除菌をして骨再生能力をもつ特殊なタンパクを注ぎ、ご自分の骨や骨の補填材を入れて新たに骨の再生を促します。軽度の歯周病が歯と歯茎の細菌感染から始まり、歯と歯肉の間の隙間が大きくなり、細菌がさらに根と根の間に深く入り込んで感染します。これが「根分岐部病変」です。
症状
根分岐部病変では以下のような症状が現れます。当てはまる症状がある場合は早めの受診をしてください。
・根元の歯茎が赤く腫れた
・膿が出る
・歯ぐきから血が出る
・噛むと変な感じがする
根分岐部病変の治療
術前A,B 2023/10/7
黄色い枠が感染して骨が失われた部分
術後A'、B' 2024/4/28
骨様組織による骨の再生が見られる
歯根端切除術 MTAによる逆根充と同時の根分岐部病変の並行治療
この症例は歯周病の治療と根っこの治療の両方が必要となる難易度が高い病気です。
術前A,Bは、根っこの先端を切除してCから逆に先端からMTAと言われる再生材料を詰める。そして同時に根と根の間の細菌を除菌して人工骨を補填した症例です。
術前(2023/10/7)
術後(2024/4/28)
術後A',B',Cは手術半年後、骨様組織による骨の再生が見られる。感染して真っ黒で骨が無かった部位がやや白くなっているのがご覧になられると思います。これが骨再生の経緯を示します。
根尖病巣の症例
根っこの先の骨の中の病気
通常、これが虫歯や外傷等で歯の中や歯の根の先(根管)が細菌感染しているのなら、歯の頭の部分の細菌感染部分をとり、次に歯の根の中の感染部分をとり、清掃と消毒して無菌化、無毒化すれば症状はなくなり、根の尖端の組織が健全化してきます。
しかし、その後で咬む部分に冠を被せたり、詰め物をしても、当初からの症状が改善されない場合や冠やその下の歯の土台に金属の支柱ポストやファイバーのポストが入っていて再度の根管治療が難しい場合、ドクターから抜歯を宣言されるケースがあると聞き及びます。
症状
根尖病巣では以下のような症状が現れます。当てはまる症状がある場合は早めの受診をしてください。
・根っこの先の骨が壊され、歯ぐきが赤く腫れている
・膿が出る
・歯ぐきから血が出る
・噛むと変な感じがする
歯を抜かずに治療したい
抜歯をしないで歯を守る方法とは、歯根尖(端)部分の外科手術をすることで抜歯をしないで感染歯を助けることができます。歯根端切除をして切除された根尖から逆方向にすぐれた生成材料のMTAなどを緊密に充填すれば歯を抜かないで済み、周囲の根尖病変を治して、成功する可能性がとても高いのです。
歯根端切除術 再生材料MTAによる逆根管充填治療
他院による感染根管治療の後に根管の中に支柱が入っており、またきちんとした被せものが入っていて、「支柱の取り出しや被せものをやり替えたくない」と希望された患者さんのケースです。
右上の奥歯3本ある根っこに対する治療です。
術前A,B,Cの根尖病巣(2021/10/21)
3つの根尖にA,B,Cの大きく黒色の病変があり、異物感と感染源から歯肉の表面に膿(ウミ)の管の開口がみられた。
術後A,B,C(2022/6/21)
骨様な組織による骨の再生がみられる。A´,B´,C´部の病変がほとんど小さく見えなくなっているのがわかる。